ここではVervainの絵の描き方を教えるよ。


【序文】
 何か、「Verさんがどう絵を描いているのか気になる」とか言われたので、自分が絵を描く過程でも…

 「主線をソフトで一切引かない」という独特な描き方してると思うんで、しっかりした絵を描きたいひとにはあんまり参考にならないかも知れません。

 アレだ、主線ソフトで描くのが嫌いなひととか、てきとーな絵を描きたいひと向け。

 とりあえず自分の絵のクオくらいにはなりますよ、ということで。


【使用ソフトとか、準備するもの】
PictBear Second Edition追加フィルタとかも全部当ててると)
◇なんかてきとーな画像拡張子変換ソフト
 (筆者はIBMのウェブアートデザイナー。HPビルダーについてます)

◇スキャナ
◇紙とか、スケッチブックとか
◇シャープペン
◇ハイマッキー(とか、そんな感じの油性ペン)
◇極細マッキー(とか、そんな感じの油性ペン)
◇サイジケア細字(とか、そんな感じの超細いマーカー)
※経験上、使い勝手の好いペンが今気づいたら全部ゼブラだったとか…

◇作業BGM(推奨)
◇ネタ。(必須な上、最も準備が難しいです)


1.パソコンを使わない作業

 それっぽくタイトルつけてみましたが、様は「絵を描く」です。
 シャーペンでがつがつ描いていきましょう。


 薄めにアタリとかを描いていき、ちょっと濃い目に主線描くのがオススメかな。
 ちなみに、まだ下書きにすぎません。でもここが一番大事。


出来た。

 今回のモデルはスカートの両端を持った日暮さんということに。
 あの礼って名前とかあるのかな…役者とか貴族とかメイドがやるイメージあるけど…

 それなりに納得が行ったら次は主線どりです。ペン入れ。
 用意したもので最も細いマーカー(Verの場合、サイジケア)を使い、主線をなぞっていきます。

 念のため、紙の下に要らん紙とか引いといたほうがいいかと。
 移るの防止するための下敷き目的で。

 ミス引きしちゃったり、ヨゴレが付いても気にせず継続してください。
 ヘタに修正液とか使うより、とりこんでから修正する方が楽ですから。

ほい。

 シャーペンの主線をそのままとったものですね。
 こうなるとシャーペンのラインは意味が無いので消しゴムで消しましょう。
 ばーっと。

 次に太く輪郭を囲う(Verはハイマッキーの細い方使用)のと、立体面の関係で太くしたい主線を太くしたり(極細マッキーの太い方使用)とか…
 正直ココは絵の仕様によりますよ、と。

ほいほいっと。

 さて、コレでパソコンを使わない作業は終わりですよ。
 次はスキャナを使うぜ。


2.パソコンを使う作業

 正直、このタイトル必要だったかな…とか思いつつ、使う作業を始めますよ。


 まず、前作業までで作成したものをスキャナから取り込みます。
 自分が使ってるのはマイクロソフトのスキャナウィザードで。標準装備されてるやつですね。

 グレイスケールで。自分の場合は100dpiですが、ココは絵の仕様によりますね。
 様はグレイスケールで、それっぽく取り込めればいいさ。

取り込んだだけのもの

 もちろん原画はもっと大きいですが。

 こんな感じで一見主線だけですが、背景に光の陰影とかヨゴレが写ってしまっています。
 (モニター下の方から見れば分かりやすいかも)

 これではただの主線画でもまずいので、どうにかする作業へ移ります。


 まず、PictBearSecondEdition(以後「PBSE」)で画像を開きます。

 その後、その上からこの絵をコピペして貼り付けてください。
 (あ、その際他の画像を開いて範囲選択してコピーしないとしっかりコピーされないというか、ファイル自体をコピーして貼り付けてもだめみたいです。PBSEは。)
 で、レイヤーの名前が「背景」となっている原画を削除してください。
 何がしたかったのかというと、「この主線を移動可能なレイヤーにしたかった」というのと、「画像サイズを入力せずに原画と同じサイズのウィンドウを用意したかった」だけです。

 次に、色塗り用のレイヤーを追加し、貼り付けレイヤーより下に配置します。
 作業対象を貼り付けレイヤーに戻します。

たぶんこんな感じになるかと。

 画像を拡大すると…

例のゴミが見えます。

 左みたいな濃く出てしまっているゴミは白い部分の色をてきとーにひろって、ペンで潰しましょう。
 間違って引いちゃったラインなどの修正はココで行います。

 右のゴミはほっとくか消すかの判断のボーダーくらいの濃さなので、消しても消さなくてもいいです。
 この後、背景の色の差とゴミをふっとばす作業が入るので、濃いものだけに注目すればいい、と。


 さて、ゴミやら色の差をぶっとばす作業ですが…

メニューの「イメージ」から「明るさの調整」を。

 したらばこんなウィンドウが出るかと。

 デフォルト数値は0。大きくすればするほど明るく、小さくすればするほど濃くなります。

 50〜100くらい明るくしてやりましょう。
 ココでは80とします。(絵によって調節してくださいな)


 明るくなりました。

 明るくなった分、ゴミも吹き飛びましたが一緒に主線も薄くなってしまいました。
 まぁ、そーゆーものなので気にせずに作業を続けましょう。後から濃くしますし。


 さて、背景と主線の分離に掛かります。
 この作業があるからこそ、パソでライン引かなくてもいい、と。

 メニューの「フィルタ」から「透明度」を。


 更に、「明るさに応じて透明化」します。

 すると…

 白い部分が背景化し、背景の見えるようになります。

 何気に、濃さの把握を自動でしているのがスゴイところで。

 さて、主線が更に薄くなった印象を受けます。顔なんか見えにくいですし。

 そろそろ主線の濃さの修正に移りましょうか。


 とりあえず…

 レイヤー1を「白」で塗りつぶします。

 基本的にバケツツールはここしか使いません。

 作業対象レイヤを主線のある貼り付けレイヤーに戻します。

 さて、主線を濃くしましょうか。

 メニューの「選択範囲」から「不透明部分の選択」を。

 すると、

 主線が選択されました。

 好い感じです。

 たまにこの段階で背景のゴミまで拾ってしまう場合があります。
 その場合はさっきの明るさ調整がぬるかった、と。

 まぁ、描き手が気づかないレベルなら放置しても問題ないかと。

 この状態で、パレットから主線に使いたい色を選択します。
 自分の場合、デフォルトパレットの真黒より2つほど薄い黒でしょうか。

 やわらかい感じにしたい茶色とか、シャープな青とかにしたいひとはここでその色を選べばおーけー。

 色を選択後、キーボードの「BackSpace」を押してください。
 「塗りつぶし可能な範囲を塗りつぶす」動作のショートカットキーなので、選択範囲だけその色で塗りつぶされるかと。

 「一度押してもまだ薄い」という場合はもう一度押せばおーけーです。
 自分は基本2度押します。

 部分部分で主線の色を変えたかったり、頬とか、部分的に変えたい場合はこの状態で色を選択し、変えたい部分をブラシツールで塗ればいいかと。
 少し透明度のあるブラシ(濃さ100くらい?)でこする感じすると綺麗に仕上がりますよ。

 用が済んだら「選択範囲の解除」をしましょう。

 で、結果、

 こんなんなりました。

 濃さも文句なしです。
 しかもコレ、レイヤー分け出来てるんだぜ?


 色塗り作業に移ります。
 その際、レイヤーを足しておくと便利かもしれません。

 いつでも主線レイヤーは一番上。

 自分は基本的に髪なんかのハイライト部分と色というアバウトな2つにしか分けていませんが、髪の影と基本色、服の影と基本色、のように部位分けしたりするのもいいかもしれません。
 まぁ、ココは個々人々で。

 レイヤーに名前付けると分かりやすいかもね。

 さて、あとはステキな塗り絵タイムです。

 ブラシツールでがしがし塗っていきましょう。

 塗り方や影付けはお好きにどうぞ。
 注意すべきはPBSEでは「アンドゥ(元に戻す)を使用後は選択レイヤも戻っている」という点くらいですかね。




 …彩色中に色々気づくかと思います。気づかなかったミスとか。

 「右手のとこ黒く潰れてるなぁ…」とか、
 「あれ?日暮って靴の上から出てるのが靴下の折り返しだから、この足の線何?」とか。

 そのときはそのときに主線レイヤーを修正すればいい、と。
 自分は影付け参考線(袖とかの線)とかも消さないとー。



 塗ったよー。


 まぁ、とりあえず絵は完成ですね。

 ここからがちょっと大事。

 PBSEではレイヤーが複数ある状態でbmpやjpeg保存が出来ません。
 出来てもいいと思うんだけどねぇ…保存選んだら自動で全レイヤー結合、とか…

 まぁ、フリーソフトなので文句はあまり言えません。
 というか、スペックすごいからこんくらいのことで文句言えないよ…


 で、まぁ、レイヤーの結合ですが。

 オレンジ色になってる全レイヤーの結合アイコン押せばおーけー。

 結合されたら初めていろいろな形式で保存可能になるわけで。

 しかし、PBSEのjpegやpng保存だと自動的に画質が落とされてしまうので、一度画質を落とさないbmp形式で保存して、それを変換…という形をとってます。自分は。


 あと、微妙に修正せにゃならんことがあったり、何かに今の絵を使う、なんてこともあるやもしれんので、基本的にレイヤー結合前の状態で、とりあえずPictBear独自の形式で保存してますね…
 念のために。


 まんまこの手法だとアニメちっくなシャープな感じになってしまうので、ほんわかしたのが描きたいひととかは最後に薄くガウスぼかし入れたり、明るさいじるのもいいかも。





 …まぁ、こんな感じですよ、ということで。
 参考になったのかしら…?